個人投資家の9割が勝てない理由
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はい 三好です
今回は個人投資家の9割が勝てない理由についてお話しします。
皆様は個人投資家が勝てないという話を聞いたことはありますか?
よくこういった内容の話は投資・資産運用の世界でよく聞くものなんですけど、実際のところどうかっていうと
私の肌感覚ですが、証券会社でトータルで儲かっている方っていうのは話の通り、1割程度だと思います。
ちょっとがっかりさせる話かもしれませんが、
儲かっている方よりも損している方の方が圧倒的に多いと思います。
一時的に大きく儲かっている方をみることはあっても
投資期間すべて合わせて継続的に儲かっているという方はかなり少ないんではないかと思います。
元証券マンとして、儲かっている方も、損している方も見てきました。
証券会社の実情も踏まえながら個人投資家の勝てない理由3つとそれだけでなく
その対策方法についてお話ししていきます。
個人投資家が勝てない理由 1つ目 投資ルールをもっていない
この投資ルールを決めていないことによる弊害は大きく、
損切りができない、なんとなく良さそうだから買ってしまう、銘柄の選定があいまい、などの傾向があります。
機関投資家と呼ばれる投資家は銘柄選定から売買のタイミングのルールまで基準が設定されています。
イケると思ったから、良さそうに思えたからという主観的な取引は極力排除するように取り決めているところが多いです。
個人投資家は良くも悪くも自分の好きなように投資できるので、簡単に言うと「何となく」でやってしまうということです。
特に、投資ルールが決まっていないことで影響を受けるのが「損切り」です。
人間は本能的に損失を避ける傾向があり、
少しでも儲かると売りたいという気持ちがでてきて、利益を小さく確定してしまうこと、そして含み損になると、もう少し持っておけば戻るかもしれない、という願望を抱きやすく、逆に損失をさらに広げてしまう傾向ががあります。
これをプロスペクト理論と言います。
またこの損失を避けたいという想いから人は合理的ではない投資行動をとってしまうことも証明されています。
例えばよく言われるのが、
AB2つの選択肢のうちあなたはどちらを選びますか、というもので。
Aは80万円を確実にもらえます。
Bはサイコロをふって1の目がでたら何ももらえませんが、2~6の目が出たら100万円もらえます。
つまり1/6の確率で0、5/6で100万円もらえるという選択肢。
あなたならどちらをえらびますか?
これはたいていの人が確実に80万円をもらえるAを選びます。
ただ、この選択肢を期待値で考えると
Aは確実に80万円もらえるので期待値が80万円
Bは1以外の数字2~&6がサイコロで出ればいいので5/6で100万円もらえるという風に計算できます
式にすると100万円×5/6で期待値は83万3333円になります。
ですので数字で比べるとBの
サイコロで100万にチャレンジする法が賢いということになります。
でもやっぱり確実に80万円もらえるAを選んじゃいますよね。
しかもこれもう一桁増やして確実に800萬とサイコロで1000萬だったら99%Aを選びます。
これはあくまで1つの例にすぎませんが、
機関投資家はAIや自動売買システムなどをつかって先ほどの質問の場合、瞬時に判断してBを選択します。
私達がAで固く80万もらった方がいいかな~、Bで100万円のサイコロチャレンジした方がいいかな~と考えている間にAIで即決するわけですね。
そしてこの1例のように株の取引では
「今、損切りした方がいいのか、利益確定した方がいいのか」という選択が1度や2度ではなく何度も訪れるわけです。
その時、基準を決めていない個人投資家が合理的ではない選択、先ほどの例ではAですね、を選択してしまう可能性が高いのは十分ご理解いただけると思います。
ただ投資で勝つためにはBを選択できる人間でないといけませんし、取引を多くすればするほど、決断の回数がふえるので、何度もBを選ばないといけません。
この人間本来の損失を避けたいという習性を、投資ルールをきめることで、あえて断ち切るんですね。
ですので、投資ルールを持たないことに対する対策は、自分のルールを作ることです。
少なくとも損切だけでも決めておいた方がいいです。
合計投資金額の10%以上下がったら自分の気持ち関係なく損切する、とかですね。
多くの方がこういったルールを持っていないので、本能のまま、小さい利益で利益確定して、含み損が大きくなってしまうわけです。
勝てない理由、1つ目は投資ルールを持たないから
こちらについては以上です。
個人投資家が勝てない理由 2つ目 逆張りするからです
みなさまも日本の株というのは売買の7割が機関投資家、海外投資家ということを聞かれたことはあるかと思います。
まさにその通りで、機関投資家の売買動向は相場に大きく影響を与えます。
そして投資の世界で利益を大きく出そうとするのであれば、大きい金額を投資している機関投資家と同じ方向を向いて投資する方が利益は大きくなります。
よくいう「波に乗る」ということですね。
相場が上がるときというのは、マーケットに買いがたくさん入っているときですね。
その7割は機関投資家ですので、同じように個人も取引できれば、さきほどの「波に乗ることができるんですね」
では機関投資家と個人投資家はどのように取引しているでしょうか。
個人と機関投資家を見ると、両者が同じ方向で売買しているときは少なく、反対に売買しているのが分かります。
個人投資家が買い越しているときは、機関が売り越し、その逆も然りです。
今回のコロナショックによる3月の大きな下落で機関投資家の売り越し残が大きく積みあがっているのが注目されましたね。
当時、個人投資家が逆に買い越していたのは結果として良かったですが、そのあと機関投資家の買い戻しをきっかけに相場も大きく上昇しました。
その際に二番底が来る、と売りで入っていた個人投資家は大きく損失を受ける結果となりました。空売りが焼かれる、という状況ですね。
これは買戻しに動いている機関投資家と逆の方向で売買してしまったために起きた損失の典型例ですね
毎回、機関投資家と同じように投資するのは至難の業ですが、取引が上手な方は相場の流れに載るのが上手です。
そこでどのようにすれば機関投資家と同じ方向で投資できるのかお伝えすると、株式投資でいうと順張りで買うことです。
順張りというのは上がっている銘柄を買って、さらに高い価格で売却することを目指す買い方です。
機関投資家はこの「順張り」で投資することが多いといわれています。
流れに逆らわないということですね。
ただ私も多くのお客様とお取引してきましたので、経験則的に順張りよりも、逆張りを好む方が多いと感じています。
今の値段よりも、もう少し安いところで購入したい、もしくはここまで下がってきたからそろそろ反発するだろうと考えて購入する
という方の方が多いですね。
私もそのお気持ちすっごい分かりますし、決してそれが全くダメというわけではありませんが、
機関投資家とは逆の取引になりやすいです。
投資資金を230憶まで増やしたといわれる有名な投資家のcisさんも同様のことを言っており、
業績がいいのに安い株、割安株に投資していた時には儲からなかったが、
株価が伸びている会社の株をあえて買うことで儲けられるようになったと著書で書いてありました。
イメージでいうと「将来の株価を予想するのでなく、今の株価が結果であり、すべてだという考えで
今上がっているのは良いと思われているから上がっているわけで、今後も上がる可能性が高い、もし違ったらすぐに損切をする」
という投資手法で資産を気づかれたようです。
ですので対策としては順張りで投資するということですね。
勝てない理由2つ目の逆張りについては以上です。
個人投資家が勝てない理由 3つ目 手数料
よく言われる個人投資家が勝てない理由は先ほどの
ルールがない、損切りできない、機関投資家と反対に取引するというのがあげられるんですが、
元証券会社にいた人間としてはこの手数料も投資成果に影響を与える大きな要因だと考えています。
これに関してはネット証券と大手対面型証券会社で変わってくるんですが、
特に後者の方が投資成果に不利な結果をもたらします。
手数料が高いからですね。
たとえば株や投資信託など投資した際、
その後の動きとしては、上がるか、下がるか、変化なしという3つのパターンがあります。
じゃんけんでいうと勝ち、負け、あいこみたいなイメージですかね。
その際、売買には手数料が発生しますので、
実質この、あいこは負けなんですよね。手数料分負けてるわけです。
いうなれば2/3負けのじゃんけんなんです。
そして大手証券会社で何度も売り買いをすることは、この2/3で負けるじゃんけんを何度もするようなものなんですね。
決して売り買いを全く否定したいわけではありませんし、時と場合によっては必要なお取引というものもあると考えています。
ただし、必要以上にじゃんけんをしてしまうと当然のことながら負ける確率は高くなってしまいます。
このあたりの話はこちらの動画でもお話ししていますので、良ければご覧ください。
また最近話題になっている話があって、
投資運用会社のフィデリティが発表した調査で
証券会社で一番儲かっている人はどういう人か調べたそうです。
どういう人が儲かっているかイメージできますか?
これ答えが1位 すでに亡くなっている方
2位 投資していたことを忘れていた方
という結果になったそうです。
つまり動かさずに放置していた方が一番儲かっていたということです。
おいおい、と。
朝のニュースも見て、どれが上がるか個別銘柄を調べて、いつ買えばいいかタイミングも確認して、しっかりと勉強しているのに、
買った後ほったらかしにしている人に負けちゃうんです。
どういうことだよと言いたいお気持ちもわかるんですが、これ結構当てはまってるんですよね。
前の動画で一度資産が10倍になった方の話をしたんですが、その方も投資したまま忘れてほったらかしていた方でしたね。
これは個人的な意見ですが、やはり取引回数が増えれば増えるほど、
もちろん手数料もかかりますし、最初にお話しした合理的でない選択、AとBでAを選択する回数が増えていってしまうんですよね。
だからそういった意味で私は長期投資を推奨していますし、必要以上の売買は行わないようにお話ししています。
ただやっぱり、投資する限りは個別株を売買したりしたいし、もうすこし資金を動かしたいという風に希望される方もいらっしゃると思います。
そういう場合は対策としてリスクを取って大きくリターンを狙う資金と、じっくり腰を据えてお漬物のように寝かしておく資金を分けて投資するのがいいと思います。
金融業界では「コア・サテライト戦略」とも言ったりしますがコアは核となるじっくり時間をかけて行う運用、サテライトは中心の周りにある衛星という意味ですが
いうなれば「遊び金」、思い切って「えい!」と投資する部分ですね。
このコアとサテライトの比率は好みやご年齢によっても変わってくるんですが、色分けすることをお勧めします。
はい、それではまとめます個人投資家が勝てない理由
1つ目は投資ルールを持っていないこと
最低限損切ルールは決めて、損を小さく、利益を大きく損小利大を心がけましょう
2つ目は逆張りです
機関投資家、大きな波を意識して順張りで投資してみましょう
3つ目は手数料です
必要以上のお取引は控えるように意識しましょう